1,はじめに

まずはじめに「光」とは「電磁波」の一部になります。そんな「光」は大きく分けて3種類の「赤外線」「可視光」「紫外線」に分けられます。
本記事では「可視光」について解説します。

2,可視光の波長範囲は何nm?

可視光とは、人間の目に見える光の範囲を指し、波長範囲は約380nmから750nm です。この範囲は、紫外線と赤外線の間に位置し、日常で見られる虹の色を構成しています。可視光は白色光の一部を通過することで色を形成し、様々な情報を人間へ伝える役割を果たします。
また可視光は、私たちの日常生活に関わる多くの技術に影響を与えています。例えば、光を利用した通信技術や、光を使った画像処理技術などがあります。また、可視光の特性を利用した健康改善技術も開発されています。可視光は、エネルギーの伝達や情報の伝達手段としても重要であり、技術の進化と共にその利用範囲も広がっています。光の波長は、私たちの感覚と深く結びついており、様々な色合いや明るさを通じて、心理的な影響を与えることも知られています。例えば、青色の光は集中力を高める効果があるとされています。

3,可視光の波長範囲と色の関係

可視光の波長範囲は、異なる色として視覚に認識されます。短波長側には紫色があり、波長が長くなるにつれて青、緑、黄、橙、そして赤へと移行します。各色の波長は以下の通りです。
– 紫:380nm – 450nm
– 青:450nm – 495nm
– 緑:495nm – 570nm
– 黄:570nm – 590nm
– 橙:590nm – 620nm
– 赤:620nm – 750nm
これらの波長が組み合わさることで、私たちは多彩な色彩を認識することができます。可視光は、色を通じて感情を伝えることや、物の形状や質感を理解する手段としても役立っています。例えば、赤色は警告や危険を示すことが多く、緑色は自然や平和を示すことが多いです。色の認識は、文化や地域によって異なる場合もありますが、基本的な波長の特性は普遍的です。また、色は私たちの心理にも影響を与えることが知られています。心理学的には、色の知覚は感情や気分に大きな影響を与えるとされ、例えば、暖色は活力を与える効果があるとされています。

可視光とは

4,光のその他の波長について

可視光は光の一部と説明しましたが、可視光の範囲外にも様々な種類の光が存在します。ここでは、紫外線と赤外線について、その特徴を今回は簡単に解説します。

4-1,紫外線とは

「紫外線(しがいせん)」とは、人間の目には見えない光(電磁波)の一種で、可視光よりも波長が短く、X線よりも波長の長い領域に位置します。英語の “Ultraviolet”(ウルトラバイオレット)の頭文字から「UV」と略されることもあります。

太陽光に含まれる光(電磁波)の一部であり、そのエネルギーは可視光よりも高いため、生物や物質に様々な影響を与えます。

4-2,赤外線とは

「赤外線(せきがいせん)」とは、こちらも人間の目には見えない光(電磁波)の一種で、可視光の「赤色」よりも波長が長く、電波よりも波長が短い領域に位置します。英語では「Infrared」(インフラレッド)といい、「赤色の下にある」「赤色の外側」という意味合いを持ちます。略して「IR」とも呼ばれます。

赤外線の大きな特徴は、熱作用です。物体が熱を持つと、その温度に応じた赤外線を放射します。このため、「熱線」とも呼ばれ、私たちが太陽の光を浴びて暖かく感じたり、ストーブの前にいると暖かく感じたりするのは、この赤外線によるものです。私たちの体も含め、絶対零度(約-273℃)以上のすべての物質は赤外線を放射しています。

5,光学フィルタの役割と可視光

光学フィルタは特定の波長を選択的に透過または反射することで、光の特性を制御します。これにより、不要な光を除去し、特定の色相やコントラストを強調することが可能です。フィルタは、ガラスやプラスチックなどの素材に光の特定の波長を吸収または反射するコーティングを施すことで作られます。
光学アプリケーションも他の波長帯と比べ最もおおく、スマートフォン、プロジェクタ等の映像機器から、顕微鏡、測定機等の分析機器、近年LEDに代表される照明機器等、多種多用途な製品群があります。その多くで光学フィルターが使用されており、用途により様々なカスタマイズがされています。

製品紹介:バンドパスフィルタ
製品紹介:ロングパスフィルタ
製品紹介:ショートパスフィルタ
製品紹介:反射防止膜ARコーティング

5-1,光学フィルタの基本原理

光学フィルタの設計は、精密な技術が求められ、使用する素材やコーティングの方法によってその性能が大きく変わります。現代の光学フィルタ技術は、これまでにない精度で光を制御することが可能となっており、科学や産業の発展に大いに寄与しています。光学フィルタは、光の波長を微細に制御することで、より高精度の分析や観察を可能にし、研究開発などの可能性を広げています。

5-2,可視光フィルタの種類と特性

可視光フィルタにはいくつかの種類があります。例えば、カラーフィルタは特定の色を強調するために使用され、バンドパスフィルタは特定の波長範囲のみを透過します。また、カットオフフィルタは一定の波長をカットし、それ以上の波長のみを透過します。
フィルタの効率や耐久性も重要な要素であり、適切な素材と設計が求められています。フィルタの種類によっては、特定の環境条件下での効果を高めるために、複数のフィルタを組み合わせて使用することもあります。このように、可視光フィルタは多様な用途とニーズに応じて進化しており、さまざまな分野での応用が期待されています。フィルタの効果を最大限に活用するためには、最新の技術と知識を駆使して、最適なフィルタ設計を行うことが求められます。

6,まとめ

今回は、可視光について基本的な定義から、色の関係、可視光用フィルタに至るまでを解説いたしました。
可視光は、私たちが世界を認識するための重要な情報源であると同時に、科学技術の発展に不可欠な要素でもあります。この記事が、可視光の波長についての理解を深める一助となれば幸いです。